C-1章 心臓のしくみ 心臓は,全身に血液を送る非常に重要な臓器です.まずは心臓が担っている機能をしっかりしくみから理解しましょう. 心臓は大切!

今日から循環器科で実習よ.

心臓って大切な臓器だから,気合い入れなきゃね!

ふふ.それじゃあまず,どうして心臓が「 大切な臓器」かわたしに説明してみましょうか?

ええっ,いきなりね!

心臓って止まったら死んでしまう臓器なんだから,それだけで大切じゃない!

じゃあ,なんで心臓が止まったら死んでしまうの?

ネコナースったら!

わたしだってそのくらいわかっているわよ.

身体の活動には酸素や栄養素が必要で,心臓はそれらを運ぶ血液を全身に送り出している臓器でしょ.だから心臓が止まったら,身体の活動ができなくなって死んでしまうわ.

さすがに簡単な質問だったわね.

つまり心臓は全身へ休みなく血液を送り出す, ポンプの役割をしているのよね.

だからはたらきが悪くなったり止まったりしたら死んでしまうこともあるくらい,身体にとって重要な臓器なの.

ところで心臓ってどのくらいの量の血液を送り出しているのかしら?

心臓は安静時でも 1時間に約300リットルの血液を全身に循環させているのよ.

 心臓の血液拍出量(安静時)

さ,300リットル!?

そんなに大量の血液を休みなく送り続けているの.

なんてはたらき者なのかしら!

それじゃあ,あなたも見習って,休む間なく心臓のしくみについて学習を進めていくわよ!

そうきたか!

心臓のしくみ レビューブックコード 心臓の解剖: C-2 肺循環: C-9 体循環: C-9

心臓は握りこぶし大の赤い筋肉の塊みたいなものよ.

中は4つの部屋に分かれているわ.

へぇ〜.

まず,大部屋が右と左にあると考えて.

その大部屋がそれぞれ, 心房心室に分かれているの.

心臓を左右に分けている壁を中隔といい,心房の部分は心房中隔,心室の部分は心室中隔といいます.

なんでそんなふうに部屋が分かれているのかしら?

心房と心室にはそれぞれ異なる役割があるからよ.

心臓は,心房で準備した血液を心室が全身に送り出すという仕組みになっているの.

心室がポンプになる部分で,心房は心室の控え室だと思うといいわね!

へ〜.

さらに2つの部屋の間には仕切りとなる があって,心房から心室へと送り出された血液が逆戻りしないようになっているわ.

心房から心室の方向にしか開かないドアがついているってイメージかしら?

そんな感じだわ.

ドアが開いて心室に血液が流れこんでくる時期を 拡張期,心室が血液で満タンになって,心室が収縮して全身に血液を送り出す時期を 収縮期というの.

心臓は,拡張期と収縮期を繰り返すことで全身から戻ってきた血液を再び全身に送り出しているのよ.

この流れを4つのステップでみていきましょう.

 心臓への血液の流入と拍出

ダイナミックねぇ.

心臓が4つの部屋に分かれているので,こんなふうに血液の流入と拍出がスムーズに行えるのよ.

心臓のポンプ機能については,よくわかったかしら?

は〜い.

では次に,血液が心臓によって体内をどう循環しているかについて整理しましょう.

体内の循環…….もしかして血管がたくさん出てくるのかしら.

安心して.循環のルートって意外とシンプルに整理できるのよ.

大きく分ければ,心臓と肺を循環する 肺循環と心臓と全身を循環する 体循環の2つになるの.

肺循環と体循環??

もう少し詳しく説明しましょう.

肺循環では,静脈血が右心室から肺動脈を通って肺へ送り出され,肺静脈から左心房に流れ込むルートをとるわ.

一方,体循環では 左心房に流れ込んだ動脈血が左心室から大動脈を通って全身に向かい 103A24 100P10,大静脈から右心房に流れ込むルートなの.

こんなふうにイメージしてみて!

 血液循環と心臓

へ〜.じゃあ肺循環は 肺で血中に酸素を取り入れる循環で,体循環はその 酸素を全身に送り届ける循環ってことなの?

そういうこと! この2つの循環の役割と通る血管の名前はしっかり覚えておいてね.

は〜い!

肺循環と体循環

①肺循環

肺で血中に酸素を取り入れるための循環.

②体循環

酸素を全身に送り届けるための循環.

③血液の流れ

全身▶大静脈▶右心房▶右心室▶肺動脈▶肺▶肺静脈▶左心房▶左心室▶大動脈▶全身……

動脈と静脈 レビューブックコード 血管系の解剖: C-5

ところでネコナース,動脈と静脈って何が違うんだっけ?

動脈は心臓から血液を送り出す血管よ.

これに対して,心臓に血液を戻す血管を 静脈というの.

この役割の違いが,それぞれの血管のつくりにも現れているわ.2つを比べてみましょう.

 動脈  静脈

あれ? 動脈のほうが 中膜が分厚くなっているわね.

これって動脈が心臓から全身に血液を送るのと関係している気がするわ.

そうよ.動脈は,血管にかかる負荷が大きいので,静脈に比べて分厚くて頑丈なの.

静脈は,壁が薄くて弾力がないから,流量によってふくらんだりしぼんだりしやすいつくりになっているのよ.

全身に血液を送り出す左心室は右心室に比べて筋肉が発達しており,厚さは3〜4倍ほど厚くなっています.そのため,右心室から出ている肺動脈よりも左心室から出ている大動脈の方が,血管壁がより厚くなっています.

静脈の方が頼りなさそう…….

でも,体循環で全身を巡った血液は,大静脈を通って右心房に戻るのよね.

たとえば足先みたいに心臓から遠い位置からでもちゃんと戻ってこれるのかしら?

ふふ.そのために静脈には がついているのよ!

直径1mm以上の静脈には弁がついていて,血液の逆流を防いでいるのよ.

弁は静脈にしかついていないの?

そうよ.動脈は心臓のポンプの勢いがあるけれど,静脈はそれなしで,身体のすみずみから血液を心臓に戻さないといけないでしょう.

特に足の先から心臓に戻す場合には,重力に逆らうことになるからね.

なるほど!

逆流しないように弁がついているのね!

動脈と静脈

① 動脈は心臓から血液を送り出す血管.

② 静脈は心臓に血液を戻す血管.

③ 動脈は壁が厚く,静脈には逆流防止の弁がある.