ねーねー,ネコナースー.
ちょっとわからないことがあるんだけど…….
どうしたの?
Oさん,肺炎のせいで
だから今は
どうして熱が出てるのに温めていたの?
発熱の最初の頃って,寒気(悪寒・戦慄)がしたりするでしょ.
あれはからだが病原体をやっつけるためにがんばって体温を上げようとしているサインなの.
そういう時期に体を冷やすと,逆に症状を悪化させてしまうのよ.
そうなんだ!
逆に熱が上がりきって,悪寒・戦慄がなくなった段階では今度は冷やして解熱を促していいわ.
今,Oさんはそういう状態なのね.
なるほど.
からだを温めたり冷やしたりって,奥が深いのね.
氷枕をはじめとするからだを冷やす技術を
罨法についてもう少し勉強してみましょうか.
はーい!
罨法:
基-58
罨法といってもいろいろあるけど,あなたはどれくらい知ってる?
えーっと.
氷枕でしょ,氷囊でしょ.
電気毛布に……湯たんぽとか!
あなたが挙げたのはぜんぶ
いわゆる温湿布や冷湿布のように湿った状態のものも罨法なのよ.これらは湿性罨法
そういえば,看護師さんが便秘の患者さんのおなかに温湿布をしているの,見たことあるわ.
便秘によく行われるケアのひとつね.
どうして温湿布が便秘にいいかわかる?
えっ? なんでだろう……?
なんとなく温めたほうがよさそうな気はしてたけど…….
温罨法には,単に温めるという以外にもこんな作用がある
便秘には温罨法が効果的
リラックスすることで消化管が動くんだ!
あれ? でも,変だな.
疼痛の緩和って書いてあるけど,この前,関節が腫れて痛いって言ってた患者さんには看護師さん,
あら,よく見てたじゃない.
そうなの,冷罨法にも疼痛緩和作用はあるけど,慢性疼痛じゃなくて
へぇ〜.
急性疼痛には冷罨法,慢性疼痛には温罨法なのかぁ.
そういうこと.
罨法:
基-58
ネコナースー.
足が冷えてつらいから,湯たんぽを入れてほしいっていう患者さんがいるの.
入れてあげても大丈夫かしら?
ちょっと待って! 罨法を行ってはいけない,むしろ
たとえば
あっためちゃいけない場合もあるのかぁ.
基本的な考え方として,
その患者さんが当てはまらないか確認しましょう.
具体的にはこんな感じ.
たくさんあるのね.
この患者さんには,当てはまるところはなさそう!
患者さんの状態をちゃんと把握しておいて,行う前のアセスメントは慎重に行ってね.
はーい!
そのほか,温罨法を行うにあたって注意すべき状況として,患者さんが温度刺激を感じにくい,または温度刺激に弱い状態だったり,なにかあっても自力で訴えられなかったりする場合が挙げられます.たとえば意識障害のある患者さん,知覚障害のある患者さん,高齢者,乳幼児などです.病院によっては,こうした患者さんに対しては温罨法を禁忌としていることもあります.冷罨法でも同様のことがいえます.誤った使い方により,凍傷や循環障害の原因になるため,過度の寒冷刺激が伝わらないように注意します.どちらの罨法も,行う部位の皮膚の変化や感覚消失などの症状の有無の観察を継続しましょう.
罨法:
基-58
さっきの患者さんに湯たんぽを使うことになったわ!
まずはお湯を準備して,と…….
ちょっと待って!
あなた今,100℃近い熱湯を用意しなかった……?
あれ? 違う?
ゴム製湯たんぽならお湯は60℃程度
ちょっと湯たんぽの使い方を勉強しましょう.
誤った使い方をすると
比較的低温度(43〜45℃程度)でも長時間接触していると熱傷を生じ,これを低温熱傷といいます.受傷直後は一見して重傷には見えませんが,皮下組織まで損傷し(Ⅲ度熱傷),重症化することが多いです.湯たんぽ使用時は特に注意が必要です.
げげげっ,コワーイ…….
正しい使い方,勉強します!!
それでは,湯たんぽの使い方をみてみましょう.
これはゴム製湯たんぽだから……
お湯は
どうしていっぱいまで入れちゃダメなの?
多すぎると形が丸くなって安定しないのよ.
逆に少ないと今度は冷めやすくなってしまうわ.
プラスチック製・金属製の場合は,いっぱいまで湯を入れないとすきまに水蒸気がたまり,水蒸気が水に戻るときに体積が減ることで,へこみ・劣化の原因となります.
そうなんだー.
空気を抜いて栓をする
空気は熱伝導率が低い,つまり熱を伝えにくいの.
空気を抜いたほうが熱が伝わりやすいわ.
そうか,空気があると熱が伝わりにくいのね.
布のカバーをかける,とか患者さんから10cm以上離して置くのは,低温熱傷を防ぐため
そのとおり.
タオルなどで代用する場合は,ずれて中身が露出してしまわないようにしっかり覆うのよ.
置くときも湯たんぽの口は患者さんに向けないように.
はーい!
さっそく湯たんぽ用意してみます!